前の記事では、求人を見るときに、
「良い会社を探す」
だけではなく、
今の会社と比べたり、自分がどこに反応するのかを見たりする
という使い方を考えました。
では、実際に外の求人を見ようとすると、今度は別の問題が出てきます。
転職サイト。
スカウト型サービス。
転職エージェント。
キャリア相談。
名前は聞いたことがあっても、
「自分はどれを使えばいいんだろう」
となる。
まだ転職すると決めていないなら、なおさらです。
エージェントに登録したら、転職を勧められそう。
スカウトが来ても、自分に合っているのか分からない。
転職サイトを開いても、求人が多すぎて疲れる。
そもそも何を探したいのか、自分でもよく分からない。
そう考えているうちに、結局何も使わないままになることもあります。
でも、この4つは同じことをするサービスではありません。
実際には、一つのサービスで求人検索とスカウトの両方を使えるなど、機能が重なることもあります。
ここでは、サービスを厳密に分類するというより、**「どう使うか」**の違いで分けて考えます。
大きく違うのは、
自分で探すのか。
向こうから届くのを待つのか。
誰かと一緒に探すのか。
探す前に、自分の考えを整理するのか。
というところです。
最初から一番手厚い方法を選ぶ必要はありません。
今の自分にとって、どのくらいの距離感なら使いやすそうか。
そこから考えてみます。
自分のペースで求人を見たいなら、転職サイト
まず分かりやすいのが、転職サイトです。
勤務地。
職種。
給料。
休日。
働き方。
などの条件を入れて、自分で求人を探していきます。
誰かに相談しなくても、
仕事から帰ったあと。
休日に少し時間があるとき。
電車に乗っているとき。
自分のタイミングで見ることができます。
まだ転職を決めていない人にとって使いやすいのは、とりあえず外を見るだけでも使えるところです。
「今と同じ仕事なら、他社ではどのくらいの給料なんだろう」
「年間休日120日以上だと、どんな求人があるんだろう」
そんな見方でも構いません。
一方で、求人が多いほど、
「結局どれを見ればいいのか分からない」
となることもあります。
条件を入れて検索する。
求人を開く。
会社について調べる。
また次を見る。
これを全部自分でやるので、仕事が終わったあとには面倒になる日もあります。
だから、
誰かと話すほどではない。けど、自分のペースで外の求人を見てみたい。
という人には使いやすい方法です。
自分から探し続けるのが面倒なら、スカウト型
求人を一件ずつ探すのとは、少し違う方法もあります。
プロフィールや経歴などを登録して、企業や人材サービス側からスカウトやオファーが届くタイプです。
転職サイトでは、
自分 → 求人
と探しにいきます。
スカウト型では、
企業など → 自分
という方向からも情報が来ます。
仕事から帰ってきて、
「今日も求人を20件見よう」
とはなかなか思えない。
けど、
「自分にどんな会社から連絡が来るのかは、ちょっと気になる」
ということはある。
そんな人には、こちらの方が楽に感じるかもしれません。
自分では検索しなかった会社や、考えていなかった仕事を知るきっかけになることもあります。
ただ、スカウトが届いたからといって、
「この会社が自分を高く評価してくれている」
とすぐに考える必要はありません。
届いた内容を見て、
「これは興味がない」
なら閉じる。
「ちょっと気になる」
なら、会社や仕事内容を見てみる。
最初はそれくらいでもいい。
自分から毎回探すのは面倒。けど、どんな選択肢が来るのかは見てみたい。
そんなときの入口として使えます。
求人選びや応募まで相談したいなら、転職エージェント
求人を見ていると、
「条件は良さそうだけど、自分が応募できるのか分からない」
「似た求人が多くて、違いが分からない」
「職務経歴書まで自分で考えるのは面倒だな」
というところまで進むことがあります。
そこで、人を通して求人を探す方法があります。
転職エージェントです。
厚生労働省では、求人者と求職者の間に入り、雇用関係の成立をあっせんすることを「職業紹介」としています。
転職エージェントではサービスによって違いはありますが、
希望条件を伝える。
求人を紹介してもらう。
応募について相談する。
選考についてサポートを受ける。
といった形で、転職活動に人が入ってきます。
自分一人で求人を眺めるのとは、ここが大きな違いです。
「一人で探していると、何がいいのか分からなくなる」
「応募できそうな求人を一緒に探してほしい」
という人には使いやすい。
反対に、
「まだ誰かと話すほどではない」
という段階なら、少し重く感じることもあります。
面談の予定を入れる。
今までの仕事について話す。
希望条件を説明する。
それ自体が面倒に感じる日もあるからです。
だから、転職エージェントを
「転職サイトより本格的で優れたもの」
と考えなくていいと思います。
自分で見た方が楽な人もいる。
誰かに条件を伝えて、一緒に探した方が楽な人もいる。
違うのは優劣ではなく、どこまで人に入ってほしいかです。
そもそも何を探せばいいか分からないなら、キャリア相談
ここまで読んでも、
「自分はどれだろう」
と決められない人もいると思います。
そもそも、転職したいのか分からない。
やりたい仕事もない。
求人を見ても、何を基準に選べばいいのか分からない。
でも、
「このままでいいのかな」
という感じだけは残っている。
この状態だと、求人をたくさん紹介されても困ることがあります。
何を探したいのか自体が、まだ分かっていないからです。
そんなときは、求人を探す前に、自分の働き方やこれからについて誰かと整理する方法もあります。
厚生労働省のジョブ・カードでも、在職者や求職者がキャリアコンサルティングを利用し、今後のキャリアプランや仕事についての悩みを相談できる仕組みが案内されています。
今後のキャリアプランについて迷っている段階でも、相談先として利用できます。
ここで少し分けておきたいのが、転職エージェントとキャリア相談は同じではないということです。
転職エージェントは、
「どんな求人へ進むか」
を考える場面に入りやすい。
一方でキャリア相談は、そのもう少し手前で、
「そもそも自分は何を変えたいんだろう」
を整理するために使えることがあります。
話してみた結果、
転職する。
今の会社に残る。
社内で別の仕事を考える。
何か勉強を始める。
今はまだ動かない。
という結論になることもあります。
民間にも、キャリア相談やキャリアコーチングと呼ばれるサービスがあります。
ただし、ここはサービスによって内容がかなり違います。
求人紹介を行わないものもあれば、転職活動まで支援するものもあります。
料金の仕組みも同じではありません。
そのため、
「キャリア相談=転職エージェントの別名」
とは考えず、
「何を相談できるのか」
「求人紹介があるのか」
「料金はかかるのか」
を利用前に確認した方が分かりやすいです。
迷ったら「どこまで人に入ってほしいか」で考える
4つ並ぶと、また難しく見えるかもしれません。
そんなときは、
今、自分の仕事についてどこまで誰かに入ってほしいか
で考えてみます。
まだ一人で見たい。
→ 転職サイト
自分から毎回探すのは面倒。でも、どんな話が来るのかは見たい。
→ スカウト型
求人選びや応募まで、誰かと一緒に進めたい。
→ 転職エージェント
求人を選ぶ前に、自分が何を変えたいのかから整理したい。
→ キャリア相談
こんな分け方です。
もちろん、きれいに一つへ当てはまる必要はありません。
転職サイトを見ながら、エージェントにも相談できます。
スカウトを受け取りながら、自分でも求人を探せます。
キャリア相談をしたあとで、
「やっぱり今は転職しない」
となることもあります。
一つ使ったら、ほかを使ってはいけないわけではありません。
今は、何も使わないでもいい
ここまで読んで、
「どれも今はちょっと面倒だな」
と思う人もいるかもしれません。
それなら、無理に何かへ登録しなくても構いません。
今の会社で気になっていることを一つ覚えておく。
たまに求人を見る。
「こんな働き方もあるんだ」と知る。
今はそこで止まっておく時期があってもいいと思います。
転職サイトも、スカウトも、エージェントも、キャリア相談も、
今すぐ使わなければいけないものではなく、必要になったときに使える選択肢です。
「もう少し外を見てみたい」
「一人では考えにくくなってきた」
と思ったときに、そのときの自分に合うものを選べばいい。
使うなら、「今の自分に一番重くない方法」を選ぶ
転職サービスを調べていると、
「結局どれがおすすめ?」
という話になりがちです。
でも、まだ転職を決めていないなら、「今すぐ何かを使うか」から決める必要はありません。
使ってみようと思ったときも、
求人数が多い。
サポートが手厚い。
機能が多い。
それだけでは選びにくいと思います。
どれだけサポートが充実していても、
今は誰かと話したくないのに、面談から始まるサービスへ登録したら重く感じる。
反対に、
求人を何十件見ても分からなくなっているなら、一人で探し続けるより誰かと話した方が楽かもしれない。
今、自分に必要なのは、
自分で見られる求人なのか。
向こうから届く選択肢なのか。
求人を一緒に探してくれる人なのか。
まだまとまっていない考えを整理する相手なのか。
そこから考えてみる。
転職するかどうかを決めるのは、そのあとでも遅くありません。
まずは、
「今の自分なら、どの方法が一番面倒じゃなさそうか」
くらいで選んでみてもいいと思います。