仕事は8時間のはずなのに、平日が全部なくなる。通勤時間まで含めて考えたいこと
仕事は9時から18時まで。
今日はほとんど残業もしなかった。
勤怠を見れば、特別長く働いた日ではありません。
でも、朝に家を出たのは7時半。
仕事を終えて、家に着いたのは19時半。
そこから夕飯を食べる。
風呂に入る。
少しスマホを見る。
気づけば、もう寝る時間が近い。
「今日、そんなに働いたっけ」
と思うことがあります。
残業が毎日何時間もあるわけではない。
会社がものすごく嫌なわけでもない。
それでも平日は、仕事へ行って、仕事をして、帰ってくるだけで終わる。
勤務時間だけを見れば普通なのに、一日で見ると仕事に使っている時間はずっと長い。
その差に入っているものの一つが、通勤時間です。
毎日同じように会社へ行っていると、それもいつの間にか「仕事の日なら当たり前の時間」になっていきます。
でも一度、
「この仕事のために、自分は一日何時間を使っているんだろう」
と見てみると、今の働き方が少し違って見えます。
勤務時間は8時間。でも、仕事の日はそれだけでは終わらない
9時から18時まで働く。
休憩が1時間なら、実働は8時間です。
でも、その8時間だけを空けておけば仕事ができるわけではありません。
家を出て、会社まで行く。
仕事を終えたら、また家まで帰る。
通勤時間は人によって違うので、ここからは計算しやすく、片道1時間の場合で考えてみます。
9時から18時まで会社にいるなら、休憩を含めて9時間。
そこに往復2時間の通勤を加えると、仕事の日は11時間ほど家の外にいることになります。
もちろん、通勤時間も労働時間だと言いたいわけではありません。
会社が何時間分の給料を払うべきか、という話でもありません。
ここで見たいのは、
自分の生活から、その仕事のために実際には何時間を使っているか。
ということです。
同じ8時間勤務でも、家から会社まで20分の人と、片道1時間以上かかる人では、仕事の日の長さはかなり違います。
だから勤務表を見る前に、一度だけ時計で見てみます。
何時に家を出るのか。
何時に戻ってくるのか。
その仕事をする日は、何時から何時まで仕事に時間を使っているのか。
まず見ておきたいのは、そこです。
通勤中の1時間と、家にいる1時間は同じではない
通勤時間について考えると、
「電車の中でもスマホは見られるし、本も読める」
と思うことがあります。
実際、通勤中にできることはあります。
本を読んだり、勉強したりするのが合う人もいます。
ただ、会社へ向かっている1時間と、家にいる1時間は同じではありません。
毎朝決まった時間に家を出て、決まった場所へ移動している。
その途中で何かはできても、好きな場所で好きなように使える時間ではありません。
家にいれば、
運動する。
誰かと会う。
何もしない。
という選び方もできます。
でも通勤中の1時間は、
「自分が好きなことに使える1時間」ではなく、「会社へ移動しながら使える1時間」です。
スマホを見て過ごしているから、その時間を無駄にしているわけではありません。
むしろ、
「もっと勉強に使えばいい」
「通勤時間も有効活用しないと」
と考え始めると、仕事へ行く時間にまで効率を求めることになります。
通勤時間をどう過ごすかより、
その1時間を通勤に使う生活を、自分はどう感じているのか。
一度そちらを見てみます。
給料を「その仕事に使う時間」で見てみる
時間の見え方を変えるために、給料も一度だけ時間で割ってみます。
これは「本当の時給」を出すためではありません。
今の仕事と別の働き方を比べるときの、目安として考えます。
たとえば、
月給30万円。
1日8時間、月20日働くとします。
勤務時間だけなら、
30万円 ÷ 160時間で、1時間あたり1,875円です。
ここでは比較用の数字として、実働8時間に往復2時間の通勤を加えて考えてみます。
1日10時間 × 20日なら、月200時間。
同じ30万円を200時間で見ると、1時間あたり1,500円になります。
もちろん、これは給与制度上の時給ではありません。
通勤時間にも給与が発生する、という意味でもありません。
大事なのは、数字を低く見せることではなく、
同じ月給でも、その仕事のために必要な時間によって生活側から見た条件は変わる
ということです。
給料が少し高くても、毎日家に戻る時間がかなり遅くなる仕事もあります。
反対に、給料がほとんど変わらなくても、家にいる時間が増える働き方もあります。
金額だけを見ていたときには、見えにくかった違いです。
毎日の2時間は、年間で見ると480時間になる
通勤は毎日のことなので、だんだん意識しなくなります。
片道1時間。
往復2時間。
それがいつもの生活になる。
でも、
2時間 × 月20日 × 12か月
で考えると、年間480時間です。
年間480時間と見ても、だから通勤時間を減らすべきだという話ではありません。
ただ、毎日の2時間では気にならなかったものが、年間で見ると少し違って見えることがあります。
そのうえで、
「自分は、この時間を使ってでも今の条件を選びたいだろうか」
と考えてみる。
給料。
仕事内容。
人間関係。
今の会社へ通い続ける理由はいろいろあります。
通勤時間だけで仕事の良し悪しを決める必要はありません。
でも、通勤も含めて今の働き方が成り立っているなら、その時間も条件の一つとして数えられます。
もし毎日1時間早く帰れたら、何をしたいだろう
ここで少し逆から考えてみます。
もし、今より毎日1時間早く家に帰れるとしたら。
何をしたいでしょうか。
運動したい人もいる。
誰かと会いたい人もいる。
でも、
特に何もしたくない。
という答えもあります。
帰ったら少し横になりたい。
寝るまでに、何も予定が入っていない時間がほしい。
それだけかもしれません。
時間が足りないと、
「もっと効率よく使わないと」
と考えやすくなります。
でも、平日に足りていないのが、何かを達成するための時間とは限りません。
何もしなくてもいい時間が足りていない。
ということもあります。
だから、
「通勤が嫌なのか」
だけで考えなくてもいい。
通勤が短くなった先で、自分は何を取り戻したいのか。
そこまで考えると、欲しい働き方が少し具体的になります。
「いくらもらえるか」だけでなく、「その仕事をする一日は何時から何時までか」
仕事の条件を見るとき、給料は分かりやすい数字です。
年収が今より30万円上がる。
それだけを見ると、条件が良くなったように見えます。
でも、その代わりに毎日の通勤が往復1時間増えるとしたら。
それでも自分にとって条件が良くなったと言えるかは、人によって違います。
逆に、給料がほとんど変わらなくても、通勤が大きく短くなる方を選びたい人もいます。
だから仕事を見るときは、
「いくらもらえるか」だけではなく、「その仕事をする一日は何時から何時までになるか」
も一緒に見てみます。
求人票では、勤務地や勤務時間、残業、在宅勤務などは別々の項目として並んでいます。
でも自分の生活では、全部つながっています。
その会社で働いたら、何時に家を出るのか。
何時ごろ帰れそうなのか。
平日にどれくらい自分の時間が残るのか。
求人を見るときにそこまで考えると、年収だけでは分からなかった違いも見えてきます。
給与明細には、通勤に使った時間は載りません。
でも、自分の一日からは、その分の時間が使われています。
今の仕事が嫌いかどうかだけではなく、
この仕事のために使っている時間まで含めて、今の条件に納得できるか。
最後に確かめたいのは、そこです。